【熱暴走】グラフィックボードグリスの塗り直し【分解・クリーニング】

パーツ交換

グラフィックボードが異常に熱を持っていて、異音がする、パフォーマンスが落ちている気がする。このようなときはグラフィックボードが埃などが原因で熱暴走していることが多いです。これらの症状はグラフィックボードクリーニングと排熱のために使用されているグリスを塗り直すことで改善することがあります。

今回は、グラフィックボードの分解とクリーニングとグリスの塗り直し方法、その際に注意すべき点を紹介したいと思います。グラフィックボードの調子が悪いときは参考にしてください。

グラフィックボードグリスの役割と塗り直しをするメリット

グラフィックボードは熱を持ちすぎると熱暴走などで正常な動作ができなくなることがあります。

グラフィックボードを冷やすための後付けのパーツなど様々なものが販売されています。パーツを取り付けてグラフィックボードの排熱をするのもおすすめではあるのですがグリスの塗り替えをしておらず、グリスが固まって排熱がうまくいっていない場合はグリスを塗り直したほうが改善する可能性が高いです。一般的にVGAグリスは3-5年に1回塗り直すよう推奨されています。

グラフィックボード分解時の注意点

分解するには保証シールを破ったり剥がしたりしないと分解できない仕組みになっています。このシールを破るとメーカーが定めている保証が利かなくなることがあるので、メーカー保証が残っている場合はそれらのリスクを理解した上で作業に取り掛かりましょう。

グラフィックボードを分解してグリスを塗り直す方法

ここからグラフィックボードの分解方法を紹介させていただきます。

グラフィックボードのほとんどはCPUなどがついた基盤とヒートシンク(熱を逃がすための金属バーツ)と冷却ファンの3つのパーツで構成されています。

今回はASUS製のGTX1060を使ってグリスの塗り直しをしてみましょう。グラフィックボードの型番によって外すネジの位置など細かい違いはありますが、おおまかな流れは同じなのでグリスの塗り直しをされる方は参考になるのではないかと思います。

グラフィックボードの分解

基盤の面の4か所のネジを外します。

左上のネジのトップにだけ保証封印シールが貼ってありました。

カッターナイフの先などでシールをはがしてからネジを外しましょう。

基盤とヒートシンクを繋いでいるネジを取り外したら、基盤とヒートシンクを外してみましょう。このときグリスの塗り替えを長年行っておらず固まっていた場合少し力を加えて引き離す必要があります。

GPUとヒートシンクを引き離す例の画像です。力を入れすぎてケーブルをちぎらないよう気を付けてください。

グラフィックボードの清掃とグリスの拭き取り

分解した状態の写真です。今回のグラフィックボードは、GPUグリスが熱で溶けてしまって、既定の位置からはみ出しています。これらのグリスを拭き取って取り除きましょう。

また埃やタバコのヤニが基盤にいくつもこびりついています。これらも一緒に取り除きましょう。

古いGPUグリスの除去は、グリスクリーナーを使用して拭き取ります。

基盤やチップにこびりついたホコリは、柔らかい毛の歯ブラシで優しく磨きましょう。

なかなか取れない場合は、「エレクトリッククリーナー」を綿棒に吹き付けてから磨けばほとんどの汚れは除去できます。

ついでに金属端子のクリーニングもできます。

クリーニング後の写真がこちらです。基盤の汚れや固まってしまったグリスを除去することができました。

ヒートシンクとカバーを分離する

ヒートシンクとファンの裏を掃除するためにヒートシンクとカバーを分離させます。グラフィックボードによって外し方は異なりますが、どこかに必ずネジがありますのでそのネジを外せばOKです。今回使用しているグラフィックボードは3本のネジで固定されていましたので取り外しましょう。

  • カバーを外してみると、FANの裏側に

ヤニを含んだホコリがこびりついています。またヒートシンクの裏側も細かいフィンの間に

もホコリがたくさん付着しています。これだけ汚れを放置していると冷却性能がかなり落ちていたと思われます。

先ほどと同様に、歯ブラシ・エレクトリッククリーナー・クロスを使用して汚れを除去しましょう。

FANの裏側もピカピカに磨きましょう。磨き終わったら、 ヒートシンク、カバー、FANをまた組みなおします。

グリスを塗り直す

グラフィックボードの冷却性を保つうえで重要なグリスの塗り直しを行います。

グリスが少なすぎると性能が足りなくなりますし、多すぎても基盤にグリスがはみ出して故障の原因となってしまいます。

冷却用グリスは塗りすぎないように適量をヘラで均一に延ばしながら塗ります。感覚としては接触部分に0.5mmくらい薄く塗るくらいの分量が適量です。

グラフィックボードを組み直す

基盤とヒートシンクを重ね合わせます。ネジ穴がしっかりと合わさるように慎重に重ね合わせましょう。その際に、先にFANのコネクターを忘れずに接続しましょう。狭いので後から接続するのは困難になります。

ネジは締め付ける力を均等にするため対角で止めていきましょう。

以上で組みなおしは完了です。下の画像を見ていただければ分かると思いますが、見違えるほどキレイになりました!

※最後に「GPU温度チェック」をして、作業前の温度と比較して効果を確認しましょう

以上でグラフィックボードの分解清掃とグリスの塗り直しは完了です。

グラフィックボードのグリスを塗り直すことのススメ

グラフィックボードのグリスの塗り直しはコスパよく排熱機能を高めることができる方法です。一般的にVGAグリスは3-5年に1回塗り直すよう推奨されていますので、グリスの塗り直しを試していない人はグリスの塗り直しをやりましょう。グラフィックボードを冷やすための後付けのパーツなどより排熱機能が高まるはずです。

今回はグラフィックボードを塗り直す際の注意点も一緒に紹介しておりますので、皆様の参考になれば幸いです。

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