「そろそろ終わりなさいと言っても、子どもがパソコンをなかなか離してくれない」「見せたくないサイトを開いていないか心配」。ご家庭のパソコンを子どもと共有していると、こうした悩みが出てきますよね。
実は、Windowsには「Microsoft Family Safety(ファミリーセーフティ)」という保護者向けの管理機能が最初から用意されています。追加のソフトを買わなくても、パソコンを使える時間帯や1日の合計時間、見られるWebサイト、遊べるゲームの年齢制限までまとめて設定できます。しかも基本機能はすべて無料です。
この記事では、ファミリーセーフティの準備から使用時間の制限、Webサイトのフィルター設定、さらに「設定したのに効かない」ときに多い原因までを、パソコンが苦手な方にもわかるように順番に解説します。
まず確認したいこと:子どものアカウントは「Microsoftアカウント」ですか?
設定を始める前に、ここだけは必ず確認してください。ファミリーセーフティはMicrosoftアカウントでサインインしている子どもにしか効きません。
パソコンに最初から入っていた家族共用のアカウントや、メールアドレスを使わない「ローカルアカウント」でログインしている場合、時間制限もWebフィルターもいっさい動きません。これが「設定したのに効かない」という相談で一番多い原因です。
確認するには、子どもがいつも使っているアカウントでサインインした状態で「設定」→「アカウント」→「ユーザーの情報」を開きます。ここに「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」というリンクが表示されていれば、今はローカルアカウントということです。子ども専用のMicrosoftアカウントを作って、そちらに切り替えてから先に進みましょう。
なお子ども用のアカウントを作るときは、生年月日を正しく入力してください。ファミリーセーフティは登録された年齢に合わせて、既定の制限を自動で調整する仕組みになっています。
ファミリーセーフティでできること
ファミリーセーフティで設定できる主な内容は次の4つです。どれも保護者側の画面から操作でき、子どものパソコンを直接触る必要はありません。
1つ目は使用時間(スクリーンタイム)の制限です。1日に使える合計時間と、使ってよい時間帯を曜日ごとに決められます。
2つ目はコンテンツフィルターです。不適切なWebサイトや検索結果をブロックし、特定のサイトだけを許可することもできます。
3つ目はアプリとゲームの年齢制限です。年齢に合わない内容のアプリやゲームが起動できないようになります。
4つ目はアクティビティレポートです。どのアプリをどれくらい使っていたかを保護者があとから確認できます。
設定① ファミリーグループを作って子どものアカウントを追加する
最初に、保護者と子どもをひとつの「ファミリーグループ」にまとめます。この作業は保護者のMicrosoftアカウントで行います。
1. パソコンやスマートフォンのブラウザーでfamily.microsoft.comを開き、保護者のMicrosoftアカウントでサインインします。Windows 11なら、スタートメニューから「ファミリー」アプリを開いても同じ画面にたどり着けます。
2. 「メンバーを追加」を選び、子どものMicrosoftアカウントのメールアドレスを入力します。
3. 役割を選ぶ画面では「メンバー」を選びます。ここで「主催者」を選んでしまうと、子ども側も設定を変更できてしまうので注意してください。
4. 子どものアカウント宛に招待メールが届くので、子ども側で「参加する」を押して承認します。これでグループへの追加は完了です。
5. 最後に、子どもが使うパソコンでそのMicrosoftアカウントを使ってサインインします。ここまでやって初めて、次からの制限が実際のパソコンに反映されます。
設定② パソコンの使用時間を制限する
グループができたら、いよいよ使用時間の制限です。
1. ファミリーセーフティの画面で子どものアカウントのアイコンを選びます。
2. 左側のメニューから「使用時間」(スクリーンタイム)を開きます。
3. 制限したいデバイスを選び、スイッチをオンにします。パソコンとXboxをまとめて1つの上限にすることも、別々に設定することもできます。
4. 曜日ごとに「1日の合計使用時間」と「使用できる時間帯」を決めます。たとえば平日は1時間、土日は2時間、時間帯はどちらも16時から20時まで、といった設定ができます。
5. 設定したら保存します。上限に達すると子どもの画面にメッセージが表示され、それ以上は使えなくなります。
子ども側の画面には「時間の追加をリクエスト」というボタンが出ます。宿題が終わっていないなど事情があるときは、保護者がその場で承認して延長できるので、頭ごなしに切られる感じになりにくいのがこの機能の良いところです。
設定③ 見られるWebサイトと検索結果を制限する
次に、閲覧できるサイトを制限します。
1. 同じく子どものアカウントを開き、左のメニューから「コンテンツフィルター」を選びます。
2. 「Web と検索」のタブを開き、「不適切なWebサイトや検索結果をフィルター処理する」のスイッチをオンにします。これだけで成人向けサイトのブロックと、検索結果のセーフサーチが同時に有効になります。
3. さらに細かく決めたい場合は、同じ画面の「許可されたサイト」と「ブロックされたサイト」にURLを登録します。「許可したサイトだけを使えるようにする」設定にすれば、学習用のサイトだけに絞ることもできます。
ここでとても重要な注意点があります。このWebフィルターが働くのはMicrosoft Edgeだけです。ChromeやFirefoxを使われると、フィルターはまったく効きません。そのためファミリーセーフティ側では、フィルターをオンにすると他のブラウザーが自動的にブロックされる仕組みになっています。子どものパソコンにあとから別のブラウザーを入れさせない、という点だけは意識しておきましょう。
設定④ アプリとゲームに年齢制限をかける
遊べるゲームやアプリの範囲も決められます。
1. 「コンテンツフィルター」の中の「アプリとゲーム」タブを開きます。
2. 対象年齢を選びます。3歳から20歳までの範囲で指定でき、初期状態では「すべての年齢」になっています。お子さんの年齢に合わせて設定してください。
3. 設定すると、その年齢に合わない内容のアプリやゲームはMicrosoft Storeに表示されなくなり、インストール済みのものも起動できなくなります。
4. 個別に「これだけは使わせたい」というアプリがある場合は、ブロックされた一覧から許可に切り替えられます。
設定⑤ アクティビティレポートで使い方を確認する
制限をかけたあとは、実際の使われ方も見ておくと調整がしやすくなります。
1. ファミリーセーフティで子どものアカウントを開き、「使用時間」または「アクティビティ」を選びます。
2. デバイスごとの使用時間、よく使っているアプリやゲーム、その利用時間が一覧で表示されます。
3. 保護者のメールアドレス宛に週次のレポートを届ける設定もできます。毎回サイトを開かなくても様子がわかるので、オンにしておくと便利です。
数字を見てから「ゲームは平日30分にしようか」と話し合うほうが、感覚だけで叱るより納得してもらいやすくなります。
うまく効かないときに多い3つの原因
「設定したはずなのに制限がかからない」という場合は、次の3つを順番に確認してください。
1つ目は、子どもがローカルアカウントや別のアカウントを使っているケースです。管理対象のMicrosoftアカウント以外でサインインされると制限は効きません。子どものアカウントは「標準ユーザー」にしておき、管理者権限は保護者のアカウントだけに残しておくと、新しいアカウントを勝手に追加されるのを防げます。
2つ目は、設定がまだパソコンに届いていないケースです。ファミリーセーフティの設定はインターネット経由で同期されるため、反映まで少し時間がかかることがあります。変更したあとはパソコンを再起動するか、いったんサインアウトして入り直してみてください。
3つ目は、Edge以外のブラウザーが残っているケースです。Webフィルターを設定してもChromeなどが使える状態だと、そこから制限外のサイトを見られてしまいます。子どものアカウントで他のブラウザーが起動できないか、一度確かめておきましょう。
それでも直らない場合は、Microsoft側で一時的に不具合が起きていることもあります。数日で解消した例も報告されているので、しばらく様子を見てから再設定するのもひとつの方法です。
まとめ
ファミリーセーフティを使うには、まず子どものアカウントをMicrosoftアカウントにし、family.microsoft.comでファミリーグループに追加するところから始めます。
そのうえで、使用時間で1日の合計時間と使える時間帯を決め、コンテンツフィルターでWebサイトと検索結果を制限し、アプリとゲームには年齢制限をかけます。最後にアクティビティレポートで実際の使い方を確認すれば、ひと通りの設定は完了です。
制限がうまく効かないときは、ローカルアカウントで使っていないか、設定が同期されているか、Edge以外のブラウザーが残っていないかの3点を確認してみてください。
なお、こうした機能は「子どもを監視するため」というより、家庭のルールをパソコン側にも覚えてもらうための仕組みです。設定した内容はお子さんにも先に伝えておくと、あとでトラブルになりにくくなります。
📖 関連記事:Microsoftアカウントの作り方とできること完全ガイド / Windows11のセットアップでローカルアカウントを作る方法 / Microsoftアカウントのトラブル対処法まとめ
よくある質問
ファミリーセーフティの利用にお金はかかりますか?
使用時間の制限、コンテンツフィルター、アクティビティレポートといった基本機能はすべて無料で使えます。追加のソフトを購入する必要はありません。
子どもがローカルアカウントでも制限はかけられますか?
かけられません。ファミリーセーフティはMicrosoftアカウントでサインインしている場合のみ動作します。「設定」→「アカウント」→「ユーザーの情報」からMicrosoftアカウントに切り替えてください。
Webサイトのフィルターはどのブラウザーでも効きますか?
いいえ、Webフィルターが機能するのはMicrosoft Edgeだけです。ChromeやFirefoxでは効かないため、フィルターをオンにすると他のブラウザーは自動的にブロックされます。
制限時間が来たあとに時間を延ばすことはできますか?
できます。上限に達すると子どもの画面に「時間の追加をリクエスト」ボタンが表示され、保護者が承認すればその場で延長できます。

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