「スキャンした書類を1つのPDFにまとめたいのに、やり方がわからない」「30ページのPDFから必要な3ページだけ取り出したい」——PDFを扱おうとして、こんなところでつまずいた経験はありませんか。
PDFの編集というと「Adobe Acrobatのような有料ソフトが必要」と思われがちですが、実はそんなことはありません。分割(必要なページの取り出し)はWindows 11の標準機能だけで完結しますし、結合も無料の方法がいくつもあります。
この記事では、追加費用をいっさいかけずにPDFを結合・分割する方法を5つ紹介します。インストール不要の方法から、何度も使う方に向いた方法まで順に並べているので、ご自身の使い方に合うものを選んでください。
まず知っておきたいこと:分割は標準機能だけでできる
作業に入る前に、Windows 11でできること・できないことを整理しておきます。ここを押さえておくと、遠回りをせずに済みます。
分割(ページの抽出)は標準機能だけでできます。Windows 11には「Microsoft Print to PDF」という仮想プリンターが最初から入っており、これを使えばアプリの追加なしで必要なページだけを別のPDFとして保存できます。
結合には少し工夫が必要です。Windows 11には「複数のPDFを1つにまとめる」ためのわかりやすいボタンが用意されていません。ただし標準搭載の「Power Automate」を使うか、無料アプリを1つ入れれば解決します。
作業前に必ず元ファイルをコピーしておいてください。PDFの加工は上書き保存の事故が起きやすい作業です。デスクトップに作業用フォルダーを作り、そこにコピーしてから触るようにすると安全です。
対処法①:Microsoft Edgeの印刷機能でPDFを分割する
アプリを何も入れずにPDFを分割したいなら、この方法が最短です。Windows 11に最初から入っているブラウザ「Microsoft Edge」の印刷機能を使います。
1. 分割したいPDFファイルを右クリックし、「プログラムから開く」→「Microsoft Edge」を選びます。
2. PDFが開いたら、キーボードでCtrl + Pを押して印刷画面を表示します。
3. 「プリンター」の欄をクリックし、一覧から「Microsoft Print to PDF」を選択します。実際に紙に印刷されるわけではないので安心してください。
4. 「ページ」の欄で「ユーザー指定」を選び、取り出したいページ番号を入力します。1-5のように範囲で指定したり、2,5,8のようにページを個別に指定したりできます。
5. 「印刷」ボタンを押すと保存場所を聞かれるので、ファイル名をつけて保存します。指定したページだけの新しいPDFができあがります。
2つに分けたい場合は、この手順を「1-10」「11-20」のように範囲を変えて2回くり返すだけです。ただしこの方法には注意点があります。元のPDFに含まれていたしおりやリンク、注釈は引き継がれません。また、PDFの作り方によっては文字の検索やコピーができなくなることがあります。契約書など、あとから文字を検索したい書類には次に紹介する方法をおすすめします。
対処法②:無料アプリ「CubePDF Page」で結合と分割をまとめて行う
結合も分割も一番かんたんにこなせるのが、この方法です。「CubePDF Page」は日本の会社が開発した無料アプリで、個人でも法人でも無料で使えます。操作はドラッグ&ドロップとボタン1つだけなので、パソコンが苦手な方にも向いています。
1. 「CubePDF Page」の公式サイトにアクセスし、ダウンロードボタンからインストーラーを入手します。検索で上位に表示される配布サイトではなく、必ず公式サイトからダウンロードしてください。
2. ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックし、画面の指示にしたがってインストールします。
3. アプリを起動し、結合したいPDFファイルをまとめてウィンドウにドラッグ&ドロップします。
4. 並び順を変えたいときは、ファイルを選んで「上へ」「下へ」ボタンで調整します。ここで並べた順番がそのまま結合後のページ順になります。
5. 「結合」ボタンを押し、保存先とファイル名を指定すれば完成です。逆に1つのPDFをバラバラにしたいときは、ファイルを1つだけ読み込んで「分割」ボタンを押します。
対処法③:標準機能「Power Automate」でフォルダーごと一括結合する
「アプリは増やしたくない」という方向けの方法です。Windows 11には「Power Automate」という作業自動化アプリが標準で入っており、この中にPDFを結合する機能が用意されています。
ただし正直に書くと、手順はやや複雑です。10個も20個もPDFがあってまとめて処理したい場合には効率的ですが、2〜3個を結合したいだけなら対処法②のほうが早く終わります。使う前にMicrosoftアカウントでのサインインも必要です。
1. 結合したいPDFを1つのフォルダーにまとめ、ページ順に並ぶようファイル名の先頭に「01_」「02_」と番号を付けておきます。
2. タスクバーの検索から「Power Automate」を開き、Microsoftアカウントでサインインします。
3. サイドメニューの「フロー」→「新しいフロー」を選び、わかりやすい名前を付けて作成します。
4. 左メニューの「フォルダー」から「フォルダー内のファイルを取得」を右側にドラッグし、手順1のフォルダーを指定します。詳細設定で並び替え基準を「名前」にしておくと、ファイル名順に結合されます。
5. 続いて左メニューの「PDF」から「PDFファイルを結合」を右側にドラッグします。「PDFファイル」の欄に%Files%と入力し、「結合されたPDFのパス」に保存先とファイル名を指定して保存したら、実行ボタンを押します。
対処法④:ブラウザで完結するWebツールを使う
会社のパソコンなどでアプリをインストールできない環境では、ブラウザ上のWebツールが選択肢になります。ただし、選び方には注意が必要です。
多くのWebツールは、PDFをいったん相手のサーバーに送信して処理する仕組みです。社外秘の資料や個人情報を含む書類をこの種のツールにアップロードするのは避けてください。
安全に使いたい場合は、「ブラウザ上だけで処理する(アップロードしない)」と明記されたツールを選びます。この方式ならファイルが外部に送信されず、処理も高速です。
なお、ブラウザ内で処理するタイプは端末のメモリを使うため、一度に扱えるファイル数や合計容量に上限があります。大量のPDFを扱う場合は、対処法②か③を使うほうが確実です。
対処法⑤:ページの並べ替えや削除だけならWordを経由する
「ページの順番を入れ替えたい」「途中の1ページだけ削除したい」という場合は、Microsoft Wordを使う手もあります。WordにはPDFを編集可能な文書として読み込む機能があるためです。
1. Wordを起動し、「ファイル」→「開く」から対象のPDFを選びます。
2. 「編集可能なWord文書に変換します」という確認が出るので「OK」を押します。ページ数が多いと数十秒かかることがあります。
3. 不要なページを削除したり、順番を入れ替えたりします。
4. 「ファイル」→「名前を付けて保存」で、ファイルの種類に「PDF」を選んで保存します。
この方法は手軽ですが、レイアウトが崩れやすいという弱点があります。表や画像が多い資料、デザインされたパンフレットのようなPDFには向きません。文字が中心のシンプルな文書に限って使うのが無難です。
まとめ
PDFの分割は、Microsoft Edgeで開いてCtrl + Pを押し、プリンターに「Microsoft Print to PDF」を選んでページ範囲を指定するだけで完了します。アプリの追加もお金も必要ありません。
結合については、たまにしか使わないなら無料アプリ「CubePDF Page」を入れるのが一番かんたんです。アプリを増やしたくない方は標準機能のPower Automate、インストールできない環境ならブラウザ内で処理するWebツール、という順で検討してみてください。ページの並べ替えや削除だけならWordを経由する方法もあります。
どの方法でもうまくいかない場合は、元のPDFにパスワードや編集制限がかかっている可能性があります。その場合は作成元の方に、制限を外したファイルをもらえないか相談してみてください。そして作業のたびに、元ファイルのコピーを取ってから始めることだけは忘れないようにしましょう。
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よくある質問
Windows11の標準機能だけでPDFを分割できますか?
できます。Microsoft EdgeでPDFを開いてCtrl + Pを押し、プリンターに「Microsoft Print to PDF」を選んでページ範囲を指定すれば、必要なページだけを別のPDFとして保存できます。アプリの追加は不要です。
Windows11の標準機能だけでPDFを結合できますか?
標準搭載の「Power Automate」を使えば結合できますが、フローを組む必要があり手順はやや複雑です。2〜3個のPDFをまとめたいだけなら、無料アプリ「CubePDF Page」を使うほうが早く終わります。
Microsoft Print to PDFで分割すると何かデメリットはありますか?
元のPDFに含まれていたしおりやリンク、注釈は引き継がれません。またPDFの作り方によっては文字の検索やコピーができなくなることがあります。文字を検索したい書類にはCubePDF Pageを使ってください。
WebのPDF結合ツールを使っても安全ですか?
多くのツールはPDFを相手のサーバーに送信して処理するため、社外秘の資料や個人情報を含む書類には使わないでください。使う場合は「ブラウザ上だけで処理する(アップロードしない)」と明記されたツールを選びます。


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