「ゲームを起動して数分でデスクトップに戻される」「プレイ中に突然パソコンごと再起動してしまう」——2026年8月11日に配信されたWindows 11の更新プログラム「KB5121003」を適用してから、こんな症状が出ていませんか。
特に報告が多いのが「ARC Raiders」と「THE FINALS」です。この2タイトルを開発しているEmbark Studiosは公式Discordで不具合を認め、原因と回避方法を公表しました。原因はゲーム本体ではなく、パソコンに入っている古いドライバーとWindowsの相性でした。
この記事では、KB5121003を適用してからゲームがクラッシュするようになった原因と、今日からできる対処法をやさしく解説します。パソコンに詳しくない方でも順番に進められるように、手順を1つずつ説明していきます。
まず確認してほしいこと
対処法を試す前に、自分のパソコンが本当にKB5121003を適用済みかどうかを確認しましょう。原因が違うと、この記事の方法では直りません。
1. キーボードのWindowsキーを押しながらIキーを押して、設定画面を開きます。
2. 左側のシステムをクリックし、一番下のバージョン情報を開きます。
3. 「OSビルド」の数字を確認します。26200.9168(Windows 11 25H2の場合)または26100.9168(24H2の場合)になっていれば、KB5121003が適用済みです。
ビルド番号が上記と違う場合は、別の原因(グラフィックドライバーの不具合やゲーム側のバグなど)が考えられます。その場合は当ブログの「Steamのゲームが立ち上がらない時の原因と対処法」もあわせてご覧ください。
KB5121003でゲームが落ちる主な原因
原因① inpoutx64.sysという古いドライバーとの相性問題です。これが最大の原因で、Embark Studios自身が「Windows Updateによってinpoutx64.sysの動作が変わったことが原因」と説明しています。KB5121003が何らかの仕様変更を行い、このドライバーと衝突するようになりました。
原因② そもそもinpoutx64.sysとは、パソコンの低レベルな部分に直接アクセスするための古いドライバー(周辺機器を動かすためのプログラム)です。ゲーミングキーボードやマウスのRGBライト(光る機能)を制御するソフトや、Razer製品のアップデートツール、MSI Afterburnerのようなオーバークロック・監視ソフトが、知らないうちにインストールしていることがあります。
原因③ ゲーミング周辺機器を使っていない方でも、パソコンメーカー製の管理ユーティリティ経由で入っている場合があります。「そんなソフト入れた覚えがない」という方も、一度確認してみる価値があります。
原因④ アンチチートソフト(不正防止プログラム)が巻き添えでクラッシュしているという報告もあります。ARC RaidersとTHE FINALS以外に、Marvel Tokon: Fighting Soulsでも同様の症状が報告されています。
原因⑤ KB5121003適用後は、ゲームのクラッシュとは別に、リフレッシュレートが勝手に下がる・画面が真っ暗になる・HDR表示がおかしくなるといった映像まわりの不具合も報告されています。クラッシュ以外の症状が出ている場合は、こちらの可能性もあります。
なお、実際に出るエラーメッセージは環境によって異なりますが、「Hang detected on GameThread」や「EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION」という表示が出るケースが報告されています。
対処法①inpoutx64ドライバーを停止して削除する
Embark Studiosが公式に案内している回避策です。もっとも確実な方法なので、まずはこれを試してください。作業前に、念のため大事なデータのバックアップを取っておくと安心です。
1. スタートメニューを開き、検索欄にcmdと入力します。
2. 検索結果に出てきた「コマンド プロンプト」を右クリックし、管理者として実行を選びます。「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と聞かれたら「はい」を押します。
3. 黒い画面が開いたら、sc stop inpoutx64と入力してEnterキーを押します。これでドライバーの動作が止まります。
4. 続けてsc delete inpoutx64と入力してEnterキーを押します。これでドライバーの登録が削除されます。終わったらコマンド プロンプトを閉じてください。
5. エクスプローラー(フォルダーのアイコン)を開き、アドレス欄にC:\Windows\System32\driversと入力してEnterキーを押します。
6. フォルダーの中からinpoutx64.sysというファイルを探して削除します。見つからない場合は、すでに削除されているか、そもそもこのドライバーが原因ではない可能性があります。
7. パソコンを再起動してから、ゲームを起動して症状が改善したか確認します。
このドライバーを削除すると、ゲーミングキーボードやマウスの光る機能(RGBライト)が使えなくなる場合があります。ただしゲームのプレイ自体には影響しませんし、後からメーカー製ソフトを入れ直せば復旧できます。
対処法②ファイルは残したままサービスだけ止める
「ファイルを消すのは怖い」という方は、削除まで行わずに動作を止めるだけでも改善したという報告があります。まずはこちらから試すのも良い方法です。
1. 対処法①の手順1〜3までを実行し、sc stop inpoutx64だけを実行します。
2. コマンド プロンプトを閉じて、パソコンを再起動します。
3. ゲームを起動して、クラッシュしなくなったか確認します。
これで直ればファイルを消す必要はありません。ただし、RGB制御ソフトを起動するとドライバーが再び動き出して症状が戻ることがあります。その場合は対処法①の削除まで進めてください。
対処法③原因になっているソフトをアンインストールする
inpoutx64.sysを削除しても、元になっているソフトが残っていると再びインストールされてしまいます。根本的に解決したい場合は、ソフト側も見直しましょう。
1. WindowsキーとIキーを同時に押して設定を開き、アプリからインストールされているアプリを開きます。
2. 一覧の中から、Razer Synapse、Razer Update Tool、MSI Afterburner、MSI Center、各種RGBライト制御ソフトなど、周辺機器のユーティリティを探します。
3. 使っていないソフトがあれば、右側の「…」からアンインストールを選んで削除します。使っているソフトの場合は、メーカーの公式サイトで最新版が出ていないか確認し、あれば更新してください。
4. 削除または更新が終わったらパソコンを再起動し、対処法①をもう一度実行してドライバーが復活していないか確認します。
対処法④グラフィックドライバーを入れ直す
クラッシュではなく、画面が真っ暗になる・リフレッシュレートが勝手に下がる・HDR表示が崩れるといった症状の場合は、グラフィックドライバー(画面表示を担当するプログラム)側の問題である可能性が高いです。
1. NVIDIAのグラフィックボードを使っている場合は「NVIDIAアプリ」、AMDの場合は「AMD Software」を開きます。
2. ドライバーの更新があれば適用し、その際にクリーンインストールのオプションにチェックを入れます。これで古い設定ファイルが残らず、不具合が解消しやすくなります。
3. 更新が終わったらパソコンを再起動して、症状が改善したか確認します。
対処法⑤どうしても直らないときはKB5121003を削除する
更新プログラム自体をアンインストールすると症状が消えたという報告も多数あります。ただしKB5121003は約400件の脆弱性を修正した重要なセキュリティ更新で、実際に悪用が確認されているゼロデイ脆弱性の修正も含まれています。削除するとパソコンが攻撃を受けやすい状態になるため、この方法は最終手段と考えてください。
1. WindowsキーとIキーを同時に押して設定を開き、Windows Updateをクリックします。
2. 更新の履歴を開き、一番下にある更新プログラムをアンインストールするをクリックします。
3. 一覧からKB5121003を探し、アンインストールを押します。
4. パソコンを再起動します。そのままだと再び自動でインストールされてしまうので、設定のWindows Updateから更新の一時停止を設定し、修正版が出るまで待ちましょう。
Embark Studiosは根本的な修正版を準備中と発表しているので、ゲーム側のアップデートが配信されたら、必ずWindows Updateを再開して最新の状態に戻してください。
まとめ
KB5121003を適用してからARC RaidersやTHE FINALSがクラッシュするようになった場合、原因はゲームではなくinpoutx64.sysという古いドライバーとの相性である可能性が高いです。
まずは対処法①のコマンド プロンプトからドライバーを停止・削除する方法を試してください。これがEmbark Studios公式の回避策で、もっとも効果が期待できます。怖い場合は対処法②の停止だけでも改善するケースがあります。
ドライバーを削除しても再発する場合は、対処法③で元になっているRGB制御ソフトや周辺機器ユーティリティ自体を見直しましょう。画面表示がおかしいだけならグラフィックドライバーの入れ直し、それでも直らない場合のみ、リスクを理解したうえでKB5121003のアンインストールを検討してください。
マイクロソフトは執筆時点でこの問題を「既知の問題」として公表していませんが、Embark Studiosが原因を特定して公表している以上、今後マイクロソフト側からも修正が入る可能性があります。どの方法でも改善しない場合は、しばらく様子を見ながら、ゲームの公式Discordや公式Xで修正版の情報を待つのが安全です。
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よくある質問
まず確認してほしいこと
対処法を試す前に、自分のパソコンが本当にKB5121003を適用済みかどうかを確認しましょう。原因が違うと、この記事の方法では直りません。
KB5121003でゲームが落ちる主な原因
原因① inpoutx64.sysという古いドライバーとの相性問題です。これが最大の原因で、Embark Studios自身が「Windows Updateによってinpoutx64.sysの動作が変わったことが原因」と説明しています。KB5121003が何らかの仕様変更を行い、このドライバーと衝突するようになりました。
対処法①inpoutx64ドライバーを停止して削除する
Embark Studiosが公式に案内している回避策です。もっとも確実な方法なので、まずはこれを試してください。作業前に、念のため大事なデータのバックアップを取っておくと安心です。
対処法②ファイルは残したままサービスだけ止める
「ファイルを消すのは怖い」という方は、削除まで行わずに動作を止めるだけでも改善したという報告があります。まずはこちらから試すのも良い方法です。


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